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留学も進学も、自分の軸を貫いて。志望大学へ一本勝負でつかんだ新たな道

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富山高等専門学校の国際ビジネス学科を卒業し、神戸大学 経営学部で学ぶ岩城未来さん。カナダ留学では臆せず交流の輪を広げ、進学先も一本勝負で合格をつかんだといいます。「なぜ」を問い、自分の「好き」を行動に変えながら歩んできた、高専時代から現在までを伺いました。

中学一年生で見つけた憧れの進学先

―高専に進学したきっかけを教えてください。

小学生のころ、熱狂的にはまっていたアーティストが英語の曲を出したことがきっかけで、英語に強い関心を持つようになりました。歌詞をちゃんと翻訳して理解したい、という思いからです。

また、中学1年生の4月、2つ上の姉が高校受験のパンフレットを眺めていたとき、一緒に見ていて富山高専の国際ビジネス学科が掲載されていました。15歳から語学とビジネスを専門的に学べる自由な校風に、「これは私が行くべきところだ」と直感。友人の兄や姉に高専生が多く、「留学もできて楽しいよ」という話を聞いていたことも後押しになりました。

実際に北斗祭(文化祭)にも足を運び、自分の好きなことに没頭している学生たちの姿を見て入りたい気持ちがさらに高まりました。

受験では推薦入試で一度不合格となりましたが、対策不足だった点を振り返り、集中して勉強したところ、一般入試で無事に合格。合格がわかったとき、中学の担任の先生と校庭を叫びながら走り回って喜んだことは今でも忘れられません。

―入学した時の高専の印象を教えてください。

「変な人がめちゃくちゃ多い」というのが最初の印象です(笑)。もちろん、良い意味ですよ。中学校にも個性的な人はいましたが、高専はそういう人だけを集めたようなクラスで、最初の自己紹介から大爆笑の連続でした。先生方も専門性を突き詰めているぶん個性的で、授業中の小話を聞くだけでも面白く、切り口が鋭くて引き出しの多い先生が多かったと感じています。

興味のあった英語の授業も充実していました。授業は大きく3つに分かれていて、文法を学ぶ基礎英語、仕事で使える実用的なビジネス英語、ALTの先生と会話中心で進める英会話がありました。ビジネス英語では、先生が海外での実体験を交えながら「こういう表現が使えるし、これはやってはいけない」と身を持って教えてくださり、英語学習の幅が広がりました。

―高専での研究内容を教えてください。

宮重先生のゼミで「消費者行動論」をテーマに研究しました。研究の入り口は「人的資源管理」の分野でしたが、卒業論文として事例データを集める段階になったとき、企業の人事情報は外から入手しにくいという壁にぶつかりました。そこで「消費者なら身の回りに事例がある」と気づき、テーマを転換しました。

▲宮重ゼミの合宿で、頭をフル回転させて議論に参加する様子

研究対象としては、大手ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」を選びました。きっかけは、ゼミの週次レポートのテーマを考えていたときに、『NewsPicks』で同店の経営手法に関する記事に出会ったことです。店舗に対するポジティブな評価が、買い物体験そのものを楽しいと感じさせる「快楽的価値」を通じて、衝動購買にどう影響するかを分析しました。この研究を経て、消費者としての世界の見方が大きく変わりました。

カナダ留学に北斗祭、思い出の数々

―海外留学の思い出をお聞かせください。

高専3年生の4月から約1年間、カナダのバンクーバー島に留学しました。ホームステイ先は、温水プール・広大なキャンプスペース・30畳ほどの個室という、想像をはるかに超える大豪邸。ホストファミリーは父母と大学生の姉2人の家族で、一緒に食事をとりながら英語で会話する生活は、語学力を高める最高の環境でした。

学校は地元の高校で、現地の生徒と同じクラスで学びました。コロンビアやスペインなど他国からの留学生も多く、友人はすぐにできました。サッカーや音楽の話題を通じて仲良くなり、共通の話題で国を越えてつながれることが嬉しかったですね。

▲カナダ留学中、授業を通じて仲良くなった留学生、現地学生との3人でポーズ

―最初からうまく英語でコミュニケーションを取れましたか

苦労したのは最初の3カ月です。空港に迎えに来てくれたホストファミリーの第一声から全然聞き取れず(笑)。持ち前の笑顔と愛嬌でどうにかしのぎました。現地の学生がスラングを交えて話す英語はとにかく難しく、ひたすら話しかけたり、隣の会話に耳を傾けたり、とにかく耳と口を慣れさせることに集中しました。努力の甲斐あり、7月ごろには聞き取りも会話もほぼ自由にできるようになり、約3カ月で確かな手応えを感じました。

放課後は、広大な自然の中で大きな池に飛び込んで泳いだり、スーパーでケーキやスイカを買い込んだりして過ごしました。休日には南のビクトリアまで足を延ばしてショッピングや日本食を楽しむ、という日々でした。

一番の思い出はハロウィンです。現地では主に子どもたちが楽しむ行事でしたが、「どうしても参加したい」と留学生みんなで仮装して街を歩き回り、袋いっぱいのキャンディを集めました。

▲留学から帰国後、4年生の始業式で撮影。「同級生たちの髪色が派手になっていて、眩しかった」とのこと

―高専での思い出についても教えてください。

北斗祭(文化祭)が特に印象に残っています。低学年のころはクラスメイトと組んだバンドでドラムを演奏し(完全に初心者でしたが)、ダンス部でステージに立ちました。

留学から帰国した後、4年生の北斗祭では、留学中に運営スタッフへの参加募集が締め切られてしまったため、別の方法で北斗祭を楽しもうと考えました。

クラスの模擬店が和風喫茶で、同じようなコンセプトの店が競合として多かったため、「差別化しなければ赤字になる」と思い、タロットカードを購入して占い師として参加しました。先輩や後輩の恋愛相談まで引き受けて、売上をかなり上げることができました。また、別のブースで人手が足りないと声をかけられ、ヒヨコの仮装でMCを務めたことも思い出です。

▲文化祭の模擬店で、占い師をする岩城さん

「好き」を追い求めながら、人と一緒に楽しむために

―大学進学の経緯を教えてください。

4年生で受けた宮重先生の経営学の授業が転機でした。それまで、「経営学」という学問自体をほとんど知らなかったのですが、授業で『ビジョナリー・カンパニー』という本を輪読する中で、その構成の美しさと面白さに引き込まれたのです。

さらに、モチベーションやリーダーシップなどの理論を学ぶ中で、自身の経験を振り返りながら結び付けることができました。理論と経験がつながっていく面白さを発見し、経営学を深く学びたいという気持ちが固まりました。

進学にあたり、志望学部は神戸大学の経営学部ひとつに絞りました。経済学部内の経営学科ではなく、独立した経営学部で専門的に学びたいという明確な軸があったからです。滑り止めは受けず、一本勝負で合格を勝ち取りました。

―現在の学生生活について教えてください。

第一志望のゼミ(人的資源管理専門)に入ることができました。高専在学中に読んでいた本の著者が担当する教授のゼミで、採用・育成・モチベーション・リーダーシップなどを専門としています。今はまだ卒業論文の執筆前で、質的・量的データのアプローチを学びながら基礎を固めている段階ですが、大手企業の人事部と連携したコンサルティングプロジェクトがこれから本格的にスタートします。

授業以外では、少林寺拳法部に週3回参加しています。大学から始めたので今はまだ白帯ですが、少林寺拳法の「自己確立」「自他共楽」という理念に惹かれ、社会人として体力だけでなく心も鍛えたいという思いで始めました。

▲神戸大学で少林寺拳法部に入部し、練習に励んでいる様子。最近、白帯から緑帯へ昇級しました

アルバイトは、ただの収入源にしたくないので、人と深く関わり、さまざまな考えや価値観を聞けるバーや喫茶店を選んで働いています。富山にいたころからバーで働いており、外国人のお客様が来られたときは率先して英語で接客するなど、語学力も日常的に活かしています。

―大学生になってから、自身の変化や成長を感じることはありますか?

進学して良かったのは、社会人になる前に新しい環境に触れられたことです。多種多様な学生や大人と話すことで、自分の情報量や経験の少なさを痛感しました。神戸に来て変わったことのひとつは、人が集まる場所での立ち振る舞いです。「自分が楽しければいい」という姿勢から、その場にいる全員を楽しませるために動けるようになりました。こうした意識の変化は、神戸大学の仲間たちから受けた刺激のおかげだと思います。

―今後の目標を教えてください。

現在、就職活動の真っ最中です。最も強く興味を持っているのは広告業界です。「広告という手段を使って人の気持ちを動かす」ことが、自分の好きなこと、得意なこと、やりたいことの3つが重なる領域だと感じています。また、体力のあるうちにスキルを磨き、早い段階で独立して自分で何かをゼロから作り上げたいという思いもあります。

▲「無計画旅行が好き」という岩城さん。前夜に急遽決まった旅行で、友人とパジャマのままで長野県の美ヶ原まで運転し、日の出を見たときの一枚

―最後に、高専生へのメッセージをお願いします。

特に伝えたいのは、「なぜ」を問い続けることと、「自分の軸で生きること」の大切さです。宮重ゼミで叩き込まれた具体と抽象を行き来する思考習慣は、今のゼミでも就職活動でも大いに役立っています。また、英語とビジネスは一度学んだら一生使えて、学び終わることもない分野なので、将来必ず自分の力になるでしょう。

高専から大学に進学するメリットは、出会える人の数と見える景色が一気に広がることだと思います。成長できる環境で、自分の「好き」をとことん追い求めることができる場所です。15歳から専門的な環境に身を置けることは、社会を早く深く知れる、高専だけの強みだと思います。自分の「好き」がどこかの高専のどこかの学科にあるなら、ぜひこの素晴らしい環境に飛び込んでみてください。

岩城 未来
Mirai Iwaki

  • 神戸大学 経営学部 3年

岩城 未来氏の写真

2026年3月 富山高等専門学校 国際ビジネス学科 卒業
2026年4月 神戸大学 経営学部 3年次編入学

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