中四国の高専生が地域課題の解決に挑戦する探究プロジェクト「re-KOSEN※」のキックオフ合宿が、2026年8月17日(月)~19日(水)に運営会社であるメディア総研株式会社の本社(福岡県福岡市)で開催されました。re-KOSENに採択されると、サポートメンバー(PM、メンター)による伴走支援や支援金(上限100万円)を受けることができます。
※re-KOSENは、経済産業省 令和7年度 地方の若手人材発掘育成支援事業費補助金「AKATSUKIプロジェクト」採択事業です。
昨年度もre-KOSENは実施されましたが、今回は2期目。IT技術を活用して自分の創りたいものをつくる「自由コース」と、企業(宇部情報システム)や自治体(広島県竹原市)が抱える課題をテクノロジーで解決する「課題コース」の2コースが設けられました。合計10プロジェクトが採択され、キックオフ合宿には10高専から高専生19名(本科1~5年生。専攻科2年生)が参加。学生同士の交流や、サポートメンバーとのプロジェクト再定義などが進められました。本記事ではその模様をレポートします。
<昨年度のre-KOSENのレポート記事もご覧ください>
「情報の非対称性ワーク」による、情報格差の是正
1日目は、主に学生同士のアイスブレイクの時間が設けられました。異なるプロジェクトの学生4~5人で1グループつくり、自己紹介や「情報の非対称性ワーク」を実施。情報の非対称性ワークとは、異なる情報が与えられた学生同士で話し合いを行うことで、課題の最適解を導き出すグループワークのことです。

情報の非対称性ワークの目的は、自分が持っている情報を積極的に共有しつつ、メンバーからの情報をまとめ、最適解を導きだすクセを身につけることです。各人が持っている情報量は必ず異なります。メンバー全員が同じ情報を持ち、グループとして優れた案を導出できる力は、今後のre-KOSEN活動でも必要になります。




2日目からはサポートメンバー(PM、メンター)も参加しました。
まずは、各チームによる全体へのプロジェクト発表がありました。みなさんがre-KOSENの本旨である「地域課題の解決」に焦点を当てたプロジェクトでしたが、その中でも農業や水産業といった第一次産業の課題や、高齢化や人口減少を背景とした課題が目立っていました。それらの課題を、AIやセンサーなどを活用し、アプリやダッシュボード等で可視化する方向性を示していたチームが多かったです。

ここから先は、サポートメンバーとのディスカッションによる、各チームでのプロジェクトの深掘り・再定義の時間です。学生のみなさんがこれまで思い描いていたプロジェクト構想は、どのような変化を見せるのでしょうか。
課題を分解し、問いとテーマを確定させる
サポートメンバーとのディスカッションは、学生チームであらかじめ定めたプロジェクト定義——「誰向けか(対象者)」「どの課題を解決するか」「何で解決するか(技術・仕組み)」「何が新しいか(独自性)」「半年でどこまで進めるか(到達点))」——を基に進められました。


また、ディスカッションではプロジェクト深掘り・再定義の後に、「re-KOSEN期間の半年間で実現すること」だけでなく、「今から2週間で実施すること」も明確にしました。昨年度のre-KOSENでは、期間中に実現するべきことは定まったものの、最初に何を行うべきかで戸惑い、良いスタートダッシュをきれなかった学生が一部いたからです。学生が正しい方向へ走り始めることを目指したのが、このキックオフ合宿でした。

ディスカッションは2日目の午後、そして3日目の午前と午後14時頃までと、みっちり行われました。そして、キックオフ合宿の最後では「最終共有」として、各チームから「ディスカッションによって変更になったこと」「re-KOSEN期間の半年間で実現すること」「今から2週間で実施すること」が発表されました。

最終共有で発表された内容を聞くと、プロジェクト変更の傾向として「課題解決のための技術ではなく、ターゲットを変更する」点があったように見受けられます。また、直近2週間で実施することとしてはヒアリングや現場取材が目立ち、こちらもまたターゲットの具体化に向けた動きと言えるでしょう。
re-KOSENでは2027年1月に予定されている最終成果発表でのプロトタイプやモックの完成を必須としていますが、プロジェクトの達成は求めておらず、「何を検証し、何が分かったか」を語れる状態を求めています。だからこそ、ターゲットの具体化など、自分たちのプロジェクトには何が不足しているのかを正直に捉え、それを正直に発表している学生が複数いたことは、re-KOSENとして健全だったように思えます。
re-KOSENは半年間のプロジェクトです。長いように思えますが、課題解決に向けた期間として捉えれば、かなり短いです。今後は9月に開発合宿、10月に中間報告会、翌年1月に最終成果発表が予定されています。この半年間で、そしてこの半年間後に学生がどのような変化を遂げるのでしょうか。月刊高専では開発合宿と最終成果発表を取材予定ですので、ぜひご注目ください。
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○re-KOSEN ホームページ
https://re-kosen.com/
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