インタビュー

高専で学んだから、今の自分がある。 そう思える自分に成長した高専での学生生活

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小山工業高等専門学校 専攻科 機械工学コースを卒業し、今年から九州工業大学大学院 生命体工学研究科に進学した黒川侑暉さん。高専生時代の思い出や、今に繋がる研究、またこれから高専に進もうと考える学生に向けたメッセージなどを伺いました。

夢中になれることに出会えた高専

-小山高専に進学を決めたきっかけは?

いとこが小山高専に通っていたので、工陵祭(学園祭)のときに遊びに行かせてもらったんです。そのときに、自由な校風だなって感じました。なによりみんな楽しそうで。その出来事が印象的で、高専への受験を決めました。

子どもの頃にプラモデルを組み立てるのが楽しいと感じる時期もあったんですが、僕はそれまで夢中になれることがなく、モノづくりに熱中するような子どもでもなかったんです。高専でも機械工学科に入学したにも関わらず、あまり機械に興味が湧かなくて、授業についていけないと悩む時期もありましたね。

でも3年生から担任になった加藤岳仁先生に出会ってから変わったんです。

加藤先生の研究室で行われている太陽電池の研究に興味が湧き、先生の研究室に入ることにしたんです。いまでもこの分野の研究を続けられているので、このときの選択が、良い方向に進んだきっかけだったんだなと感じています。

電流電圧を測定する機器。赤や緑、黄色、白、黒などのコードが並ぶ。
2019年8月 企業の方との共同研究で、太陽電池で発電した電流電圧を測定

内容は、塗布工程のみによる有機薄膜太陽電池の研究です。手先があまり器用ではないこともあり、実験やシミュレーションを繰り返しやらないとモノにならないことが多かったんですが、自分のペースで進められたのは良かったですね。

コツコツと作業することが向いているようで、飽きることなく続けられました。加藤先生とはコミュニケーションも取りやすく、良い研究室に出会えたことに感謝しています。

思い出深い高専での学校生活

-学校生活で思い出に残っていることは?

研究発表や修学旅行など、いろいろありますよ。工陵祭も楽しかったですね。4年生の時には出店でおでんをつくったんですが、100円ショップで買った切れ味の悪い包丁でひたすら大根の皮をむく作業をして、大変だった記憶がありますね(笑)。でも売り上げは好調で、楽しい思い出になりました。

高専祭でのおでんづくり中に、エプロン・バンダナ・マスク姿でこちらにピースする黒川さん
本科4年時の工陵祭でのおでんづくり

工陵祭では学生の身内や卒業生のほか、高専志望の中学生なども来るんです。そのため、中学生に向けた研究室紹介を行うんですが、僕も少しだけお手伝いしました。中学生だけじゃなく、その保護者もいたのですごく緊張しましたね。僕は研究で使う装置の説明をしたんですが、保護者から質問が飛んできて、あたふたしてしまうこともありました。いまとなっては良い思い出です。

先生と二人三脚で考えた、進学という進路

-現在は九州工業大学で学ばれているそうですね。

2つ上の先輩に、東京工業大学に進んだ方がいました。東工大でも同じように太陽電池の研究をされていたので、僕も東工大を受験するか、九州工業大学に進むか悩みました。

当時は加藤先生にも進路について相談していましたね。「博士課程まで進むなら、東工大でも九工大でもどちらでも安心だよ」といったアドバイスをもらい、九工大での研究も取り組んでみたいものだったので、そちらに進学を決めました。

現在は、生命体工学研究科のパンディ教授の研究室で学んでいます。パンディ教授は、毎年小山高専で九工大の研究や留学プログラムについて話す機会を設けている方で、母校とも縁のある教授なんです。

九工大研究室の見学の際、小山高専の加藤先生とパンディ先生の間に立つ黒川さん
2019年4月 九工大研究室見学(左から加藤先生、黒川さん、パンディ教授)

-ご研究の内容に変化はありますか?

高専時代とは専攻が変わったので、講義が新鮮に感じています。今までの機械工学だと、機械や材料に特化した運動だったんですが、いまの専攻では人工関節などの生体に関わる内容なので、これまでとは違った目線での講義を受けています。

また光合成を模倣した太陽電池の研究も行っていて、こちらは高専生時代の研究に通ずるものがあるので、コツコツ取り組んでいますよ。この研究に興味を持って続けられているので、いまでは研究室に自然と足が向いています。

-今年はCOVID-19の影響もあったのでは?

前期はすべてオンライン授業に切り替わりましたね。4学期制で現在は第3クォーターになるのですが、この時期はだいたい留学に行く期間なんです。ですが今年はそれも難しいので、僕は小山高専の加藤先生の研究室に戻って、3週間の研究インターンシップとして後輩と一緒に研究に取り組んでいます。

卒業生として後輩と接する中で驚いたのは、自分たちの代よりも遥かに熱心に取り組んでいると感じたことですね。僕も彼らの熱意に応えられるよう、装置の使い方や実験の手順などのアドバイスを頑張っています。

小山高専で行われた九工大進学説明会の様子。プロジェクターに映された資料と、前で説明する関係者に、熱心に話を聴く高専生たちの姿。
2020年2月 九工大紹介@小山高専

研究に励む、学生としての等身大の姿

-黒川さんの将来像を教えてください。

太陽電池の研究を続けて、博士課程へ進学したいと思っています。そこから先は、研究職や大学・高専の教職に就きたいなとは思っているんですが、まだ時間はあるのでゆっくり考えようかなと思います。

群馬県で行われた太陽電池シンポジウムにて学会発表の様子。
学外発表 高専TUT太陽電池シンポジウム@群馬

再生可能エネルギー関連にも興味が出てきました。太陽電池はもちろんですが、燃料電池や風力発電など。できるかどうかはわからないですが、新しい分野の研究にもチャレンジしていきたいと思っています。

あとは今年、せっかく九州に引っ越したので、観光がしたいですね(笑)。COVID-19のせいで全然できていないんです。

-糸島ドライブとかオススメですよ!(※月刊高専編集部は九工大と同じ福岡)
高専を目指す中学生に向けて、メッセージはありますか?

高専は、機械いじりやモノづくりが好きな子は、とことん楽しめるところだと思います。
就職も有利ですし、3年次に大学受験をして進路の選択肢を増やすこともできます。僕が加藤先生と出会えたように、未来へプラスになる出会いもきっとあるんじゃないかと思います。

黒川 侑暉
Yuki Kurokawa

  • 九州工業大学大学院 生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻

黒川 侑暉氏の写真

2018年 小山工業高等専門学校 機械工学科 卒業。
2020年 小山工業高等専門学校 専攻科 機械工学コース 卒業。同年 九州工業大学大学院 生命体工学研究科 入学

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