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振動のプロとして業界トップを走る「エミック株式会社」。活躍する高専卒社員の声から、働き方を探る

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エミック株式会社は、振動試験装置や複合環境試験装置、振動計測システムの開発・製造および受託試験業務を行う試験装置メーカーで、「振動」のプロフェッショナルとして業界をリードしています。その躍進を支える4名の高専卒社員たちの働く姿に迫りました。

<インタビュイー>

原田 和哉 氏
技術部長
沼津工業高等専門学校 機械工学科 卒業、同 専攻科 制御・情報システム工学専攻 修了
1998年4月入社(新卒)

原田さん
▲原田さん

江副 正人 氏
システム営業部・営業本部長
沼津工業高等専門学校 制御情報工学科 卒業、同 専攻科 制御・情報システム工学専攻 修了
1999年4月入社(新卒)

江副さん
▲江副さん

花島 宏幸 氏
振動システム製造統括部(一般)
沼津工業高等専門学校 制御情報工学科 卒業
2023年10月入社(中途)

花島さん
▲花島さん

よし川 尊之 氏
ソリューション&テクノロジーセンター所属(一般)
福島工業高等専門学校 機械工学科 卒業、同 専攻科 機械・電気システム工学専攻 修了
2024年4月入社(中途)

※「よし」は、「吉」の上部分が「士」ではなく「土」。以降は「吉川」と表記

吉川さん
▲吉川さん

高専での経験を生かして「振動」のプロへ

―入社されたきっかけを教えてください。

原田さん:最初は当社についてあまり知らなかったのですが、当社を勧めてくれた高専の先生の言葉はよく覚えています。「テレビやビデオなどの技術は変わっていくものだが、振動が世界から無くなることはない」——そのフレーズに触発されたのが入社のきっかけです。

江副さん:私は地元で就職志望だったので先生に相談したところ、静岡の三島に事業所を持つ当社のことを教えてもらいました。沼津高専の1年先輩である原田さんが先に入社されていたので、そのご縁もつながったのでしょう。専攻科を修了後、最初は技術職として入社して後に営業職に転身しました。

吉川さん:楽器の演奏など、小さい頃から音楽が好きでした。学生時代には音響工学の研究を進め、卒業後はオーディオメーカーに就職して設計の仕事に就きます。品質保証部と連携して輸送梱包時の各環境試験をしていたこともあり、振動試験に対する理解は多少知っていました。その後、一時はエンジニアの仕事から離れた時期もありますが、再びエンジニアの仕事に就く際にそれらの経験を生かせる当社の入社試験を受けました。

花島さん:私も中途入社で、当社が3社目です。それまでは10年以上製品開発に携わっており、振動試験を頻繁に実施していたので比較的馴染みのある業界でした。前職では火力発電所の制御機器、その前は別の業界で防衛関係の装置を扱っていました。より専門分野に特化した仕事をしたいと思い、入社を志望しました。

―入社から現在に至るまでの業務内容を教えてください。

原田さん:現在は三島事業所の技術部門と製造部門のマネージャーとして、受注から出荷までの工程を管理しています。入社当初は技術部門へ配属され、約15年開発に従事。その後、管理職の立場となりましたが、今でも設計に携わることがあります。

三島事業所
▲三島事業所

江副さん:入社してからは設計開発職として、主にメカ系を担当していました。比較的小さな製品の設計開発を担当していたのですが、もっと自分の力をアピールできないかという思いが強くなり、30歳で営業職にジョブチェンジしました。働く中で、自分は人と関わりながら仕事を進めているほうが向いていると感じたのも、営業の道を選んだ理由のひとつです。エンジニアから営業を志望したのは、社内初だったみたいですね。

その後、東京本社の営業から名古屋支店の所長、大阪支店の所長を経験して現在に至ります。技術部にいた8年間は、いわゆる出世のためには遠回りだったと思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。お客さまの技術的な質問や相談にもその場で即答できることが、営業としての自分の強みになっています。

吉川さん:現在は、試験装置とサンプルの間の治具の設計と解析業務がメインです。振動試験に使う治具は、そのほとんどがオーダーメイドです。実際の使用状況に近い状態で試験をすることが重要で、どのように使用環境を再現できるかが私たちの腕の見せどころですね。また、お客様の要望に応じて振動に関わる様々な計測・解析手法を提案・実施しています。

花島さん:私は入社してから開発一本です。既存製品の信頼性向上や新製品の開発などに携わっています。

エミックの振動試験装置
▲エミックの振動試験装置

―仕事で生かせる高専での学びや経験はありますか。

江副さん:私は制御情報工学科の1期生でして、カリキュラムがまだ完全に固まっていない状態で入学したこともあってか、制御系・情報系だけでなく機械系のことも学べたのが良かったと思います。図面の制作など実務で役立つスキルを身に付けることができました。また、寮生活だったので対人関係に困ることがなく、営業面でのコミュニケーションにも生かせています。

原田さん:入社してから勉強することの方が多いのですが、スムーズに業務に馴染めたのは機械の製図をよく理解できていたからだと感じています。図面の見方や制作の仕方もそうですが、ただ描くだけではなく加工イメージの仕方まで高専で教わっていたのが非常に役に立ちました。

吉川さん:振動試験でも高専時代の知識を存分に生かせます。加振力計算では物理の基礎が丸ごと役立ちますし、工業系の授業で学んだ内容も業務には欠かせない知識です。

花島さん:電気系の知識はほぼ独学なのですが、高専で幅広い領域を学んでいたので業務に入っていきやすいと感じます。特に、製図や材料工学の知識は材料を選定する際に役立ちました。「これ、高専で学んだことだな」と、業務のいろいろな場面で思い出しています。

エミックの複合振動試験装置
▲エミックの複合振動試験装置

信頼される業界トップの技術力

―職場環境や雰囲気について教えてください。

原田さん:技術部門だけで言うと、高専生みたいな社員がたくさんいます(笑) 独特で優秀な技術者集団ですね。技術以外の部署はまるで違う雰囲気です。私も、他の部門の業績も見るようになってはじめて世間を知った気がします。

江副さん:雰囲気はすごくいいですよ。だから長く勤めていられるのかなと思います。同じ部署の仲間は家族も同然。私自身も先輩や後輩、他部署とのつながりに助けられてきました。技術職時代は工場で長年過ごしたので、設計開発には特に味方が多く、ありがたいですね。

吉川さん:「振動」は目には見えない現象で、学問としても高度な領域です。最初はわからないことも多いのですが、質問したらすぐに先輩方に教えてもらえる環境です。

花島さん:入社前は、中小企業といえば勝手に「体育会系」と思っていたのですが、そうでもありませんでした(笑) 実際にはフレンドリーに接してくださる先輩が多く、質問や会話がしやすいと思います。

―貴社の良いところや強みは何だと思いますか。

江副さん:自分では意識していませんでしたが、大手企業でSEとして働く高専の同級生から、中小企業で実力を磨いてきた自分が「勝ち組」だと言われたことがあります。上司と部下、部署と部署の“板挟み”が起こりやすい大手と比べれば、中小企業は自由度が高いので、私自身もやりたいように動いてきました。

原田さん:当社の技術職は、お客さまと直接コミュニケーションを取ることができます。技術者一人ひとりの力をお客さまに伝えることができ、それが評価につながっていく。それがあったから私も30年間勤めて来られたんだと実感します。全国各地のさまざまな業界のお客さまと出会うので、打ち合わせで全国に行くのも楽しみのひとつです。

吉川さん:私が所属するソリューションの部署は、6年前にできた治具設計と解析に特化した少数のチームです。最先端の技術を追いかけながらチャレンジができるので、それが働きがいにもつながっています。また、大手自動車メーカーや航空宇宙関係など、幅広い業界の製品開発に携われて、各業界の最先端に触れることができるのも魅力です。「振動」という現象はなくなることがなく、常に需要がある分野。専門分野の知識や技術を磨いていけるので、エンジニアとしてのキャリアをつくりやすいのではないでしょうか。

花島さん:コア技術の部分をすべて自社で設計開発、製造できる点が最大の強みだと考えています。また、幅広い業界の仕事に従事できるのも当社ならではだと思います。エミックで働くようになって、いろんな業界を支えている実感が湧いてきました。

―「営業」と「技術」は時に対立することもあると思いますが、いかがですか。

原田さん:昔はバチバチと対立することもあったかもしれませんが、今は互いの仕事に集中できる環境が整ってきたので、建設的な議論で解決することが多いと思います。コミュニケーションがうまくいかないときは、「なぜ相手がそう主張するのか」を考えると解決できると感じています。

江副さん:営業に移って2,3年目に、まったく売れなくなった時期がありました。振り返ると、あまりにも現場を知りすぎて「お客さま」ではなく「内向き」に仕事をしていたのです。

その反省から、完全にお客さまに向き合う決意をしました。難しいオーダーを受けた時は、「難解な課題にトライしていかないと、新しいものは生まれないよ」と技術職を鼓舞するように。技術者の気持ちはよくわかりますので、ズルいひと言かもしれませんが、その結果お客さまのニーズに合わせた装置を提供できるようになり、会社の成長に寄与できるようになりました。

花島さん:私は「無茶ぶり」を受けるのが好きなタイプです(笑) ずっとゼロからのものづくりに携わってきたので、「どうやったら実現できるか」を考えるのが自分の性に合っているのでしょう。

―最も喜びを感じた仕事や、働きがいを感じる瞬間は何ですか。

原田さん:15年ほど前、管理職に就く傍ら、当社で最も大きな装置の開発を任されたことがありました。2年がかりのプロジェクトです。一時は苦戦していたのですが、振動試験機の発祥であるアメリカに出張して詳しい研究者にアドバイスをいただき、糸口が見えてきました。

ところが納品目前、動作確認で急に装置が故障してしまい、みんなで力を合わせて何とか納品に漕ぎつけることができました。開発担当と責任者、二重のプレッシャーを乗り越えることができたので、喜びもいっそう大きかったですね。

花島さん:私は昨年担当した業務ですね。試作品ができて机上でシミュレーションした後、実際に動かしてみて予定通りの性能が出た時は、大きな達成感があります。シミュレーションはするものの、100%うまくいくとは限りません。常に不安や疑問も抱えながら試行しているからこそ、想定通りの結果になった時の喜びが大きいのだと思います。

吉川さん:「難しそうだ」と以前感じていたことができるようになった時は、成長を感じます。大変なオーダーもありますが、まずは「どうしたらできるか」を考えるところから。可能な限りそのニーズに応え続けていけば、技術力はきっと上がると信じています。

専門性を高め、さらなる成長を目指す

―今後の目標を教えてください。

江副さん:現在、国内の振動試験装置業界は当社を含めて寡占状態にありますが、10年以内にライバル企業を追い抜きたいですね。また、今年からは海外営業の統括も担当することになったので、新たな挑戦の1年でもあります。これまで、どの営業所でも数字を塗り替えてきたので、今度は会社全体の営業成績を更新したいと思います。

原田さん:働きやすい環境づくりが最重要だと考えています。どうしたら若い方が当社に興味を持ってくれるのか。その課題に向き合うことですね。100年続くにはどんな組織にする必要があるか。社員の家族までみんな幸せになるためにはどうすればいいのか。そうした組織としての解決目標が、今では個人的な目標にもなっています。

吉川さん:解析関係の専門性を高めるために、計算力学技術者(CAE技術者)資格の取得にチャレンジしたいですね。最近は歪計測や非接触型の振動計測に携わる機会が増えてきているので、計測技術も並行して経験を積み重ね、モノづくりに対して多角的に貢献できる技術者になれればと思っています。

花島さん:開発の立場から見ると、パワーエレクトロニクスの分野を中心に、現在著しい技術変革が起こっています。その波に乗り遅れないよう、新しい技術を学び続け、研究開発に貢献したいと思います。

―最後に、高専生へのメッセージをお願いします。

江副さん:私は最初からやりたいことがあったわけではなく、働く中で目標ができ、自ら変化を求めて進んできました。就活で不安を抱える方もいらっしゃるかもしれませんが、働き出してから目標や夢を見つけるのも選択肢のひとつだと伝えたいですね。何が正解かは入社して10年後にわかると思いますが、これから就職を志す高専生にはぜひいろいろな企業、業界、職種を見てほしいと思います。

高専の強みは「即戦力」になれること。即戦力になれるカリキュラムが組まれていたんだと、入社してからわかります。現場でその経験を生かせるのは、何よりの強みになるでしょう。

弊社で活躍している高専卒社員の多くは私の母校でもある沼津高専出身ですが、全国の高専生が集まる会社になれば、会社はもっと面白くなると確信しています。ぜひ仲間になって共に業界トップを目指しましょう。

原田さん:自分の好きなことや一生懸命になれることを見つけてほしいですね。淡々と授業とテストをこなすだけではもったいない。勉強でも運動でも、何でもいいので夢中になれることを見つけましょう。それが仕事でも生きると思います。入社はどなたでも大歓迎ですが、高専出身の方に入っていただけると特にうれしく思います。

吉川さん:時間を見つけて、ぜひ自分の興味の「棚卸し」をしてみてください。好きなことを仕事にすることについては賛否さまざまあるかと思いますが、仕事は長く続けることが大事。そのモチベーションの種を見つけておくと進路を絞りやすくなり、将来の助けになると思います。エミックで働けば「振動」という特殊な技術が身に付きます。「人とちょっと違うことしたい」と思っている方には、特に向いているのではないでしょうか。

花島さん:自分が将来どんなことをやりたいかを明確にするのが大事だと思います。待遇や福利厚生に魅かれて就職しても、結局長くは続かないと思うんです。そんなケースをたくさん見てきました。自分のやりたいことが芯にあれば、その先も良い選択ができるはずです。

○エミック株式会社 HP
https://www.emic-net.co.jp/

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