インタビュー

モンゴルの高専第一期卒業生が日本企業に就職!

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2019年、モンゴルにある日本式高専から、初の卒業生を輩出しました。「新モンゴル学園付属高専」を卒業した学生の一人は第一工業製薬株式会社に入社し、滋賀工場で勤務しています。

関西弁まじりの日本語を流暢に話すエンフバヤル エンフウヤンガさん。モンゴルの高専での生活は? なぜ日本企業に? 話を伺いました。

エンフバヤル エンフウヤンガさん
第一工業製薬株式会社 滋賀品質管理課 入社2年目 新モンゴル学園付属高専 物質工学科出身

女性若手社員とともに。左がエンフバヤルさん

第一期生だからこそ恵まれた

―エンフバヤルさんが入学する年に、モンゴルの3高専は同時開校しています。まったく新しい形の学校を選んだのはなぜですか。

もともと、新モンゴル学園の中学校に通っていました。学園が日本式の高専を設立することになって、両親と説明会に参加しました。

高専で学べば将来的に化学のものづくりに携わる仕事ができる、と聞いて「すごい!普通の高校よりも、高専のほうがええんちゃうか」って(笑)。みんなが手に取る製品をつくって、周りの人に「私が開発したんだよ」って言えたらいいな、と思いました。

実績がまだない学校に入るのはハイリスクだけど、かえって勉強や進路をすごく考えてもらえると思いました。また、10年前はエンジニアや科学者を目指す人はあまりいませんでしたが、モンゴルを発展させるためには、プロのエンジニアや科学者にならなければならないと考えるようになり、私は創造力豊かな科学者を目指したいと思いました。それが選んだ一番の理由です。失敗するかもしれないけどまだ若いし、と思って(笑)。

―高専のときに苦労したことはなんですか?

卒業研究です。今までの人生で一番がんばりました。その次が面接でしょうか。

モンゴルに植生する植物の抗菌活性についての論文です。学校ではモンゴル語で発表しましたが、第一工業製薬の面接では日本語でポスターをつくり直して話しました。

日本語のポスターを見せていただいた

新モンゴル学園付属高専を卒業した同期は50人くらいで、物質工学科は11人。私以外はみんな進学しています。豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学に3年次編入で入学しました。

たった一人の就職志望者

―エンフバヤルさんだけ! どうして就職しようと思ったんですか?

5年生の時、モンゴルの地質鉱物資源研究所で3週間、日本の企業では1週間のインターンシップに参加したんです。「働くって楽しいな」と感じました。

でも、モンゴルには工場や化学メーカーがあまりありません。自分が学んだ物質工学を活かしたい、国外に出て自立してどんどんチャレンジしていきたい、と思いました。日本式の高専にいたから、自然と日本を選びました。

先生に「日本で就職したい」とは言ったけれど、どんな会社があるのかはまったく知りませんでした(笑)。求人を出している企業を教えてもらって、webサイトをいくつか見ましたね。

勤務している滋賀工場

その中で第一工業製薬は界面活性剤、食品に使われる添加物、サプリメントや電子デバイス材料など手がけるなど、製品の種類が多くて、すごく魅力的であり、すぐに面接を申し込みました。

―モンゴルは日本と違い、6月卒業ですよね。どのように研修を受けましたか?

2019年の8月に入社して、2020年4月の新入社員研修を受けました。日本に来てだいぶん経っていて日本語にも慣れ会社の仕事も知っていたので、研修内容はめっちゃわかりやすかったです(笑)。

毎日仕事が楽しい!

―今の仕事について教えてください。

品質管理課で製品分析をしています。入社して一年経ちましたが、もっと多くのことを理解して会社に貢献したいと考えています。今は課内で製品分析のローテーションを進めていて、全ての製品分析ができるようになることを目標に毎日頑張っています。毎日が新しいことばかりで新鮮であり、仕事が楽しく充実した日々を送っています。

―日本に来て、イメージとのギャップはありましたか?

特になかったです。どこに行ってもすぐに順応できるタイプなんだと思います。ストレスがあっても、30分で忘れちゃうから、超ポジティブ女子です(笑)。

COVID-19の影響で、日本に来てから一度もモンゴルに帰れていません。飛行機に乗って5時間くらいで着きます。めっちゃ近いんですよ、モンゴル。ちょっと寂しいですね。

来年は新モンゴル学園付属高専の後輩が入社する予定で、他にも何人か日本に就職すると聞きました。多くの後輩が私の後に続いてくれてうれしいですね。

第一工業製薬株式会社 滋賀工場
〒529-1403 滋賀県東近江市五個荘日吉町427
TEL:0748-48-3131
https://www.dks-web.co.jp/

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