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高専採用枠を10倍に拡大!家電開発だけじゃない「アイリスオーヤマ」で生かせる高専卒の力とは

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高専採用枠を10倍に拡大!家電開発だけじゃない「アイリスオーヤマ」で生かせる高専卒の力とはのサムネイル画像

宮城県に本社を構え、家電製品を中心に生活用品の企画・製造・販売を手掛ける総合メーカー「アイリスオーヤマ株式会社」。家電開発部で活躍されている、東京都立産業技術高等専門学校出身のT.S.さんにお話を伺いました。

幅広いフィールドで活躍できる、アイリスオーヤマの高専OB・OG

―御社の事業内容と、T.S.さんの担当業務について教えてください。

作業しているさま
▲T.S.さん(仕事中の様子)

当社は多事業展開を行う総合メーカーで、テレビCMでお馴染みの家電製品以外にもAI/IoT事業などさまざまな分野に参入し、ありがたいことにコロナ禍でも着実に業績を伸ばしています。

特に年間1000点もの新商品を世に出すという「スピード開発」を行っており、ロングセラー商品に頼るのではなく、移り変わる生活者ニーズに合わせて常に変化対応しているのが特徴だと思います。

私は現在入社4年目になり、家電開発部 季節家電課冬チームで、加湿器の開発を担当。当社の開発担当は、企画から量産までの業務を一貫して行っています。

企画のフェーズではアイデア出しを行い、どのような製品が売れるかを検討。設計のフェーズでは構想レベルの設計を、具体的に3D図面に落とし込み、試作やコスト試算を行い、実現性の確認を行います。

立ち上げのフェーズでは樹脂部品を金型で発注し、量産時の問題対策や、スペックを安定させるための検討をします。立ち上げが完了すると、やっと製品を発売することができるという流れです。

―御社では多数の高専OB・OGの方が活躍されているそうですね。

エントランスホール
ダーク調のオフィス
▲アイリスオーヤマ東京R&Dセンター(2021年8月開設)

主に「開発部門」と「応用研究部」に、高専卒者が多い印象ですね。同期では私含め2名の高専生が採用され、チームは違いますが同じ家電開発部で働いています。私は東京都立産業技術高等専門学校出身ですが、同期は八戸工業高等専門学校の出身です。

実は当社では、これまでは毎年2~3名ずつしか、高専卒の採用枠を設けていなかったそうです。ですが高専生の“まず手を動かす”という姿勢が、当社の開発の社風に非常にマッチすることが分かり、今年度から採用枠をなんと10倍にし、2022年卒は高専から34名の採用が内定していると聞いています。

2022年卒では、北は苫小牧高専から南は鹿児島高専まで、全国20の高専からさまざまな学科・コースの学生の内定が決まっており、数少ないと言われる高専女子が、34名中、12名も入社してくるそうです。

22卒で採用実績のある高専名一覧

当社は「家電開発」がメインと思われがちですが、「日用品の開発」や「食品開発」など、働くフィールドが幅広いのが特徴です。ですので、高専生にも「品質管理」から「SE」、「マスク製造」「空間デザイン」など、さまざまなフィールドへの配属があり、それぞれにマッチする職種を案内していることが魅力と言えるのではないでしょうか。

また「開発部門」では生活シーンにおける不満を発掘し、それを解決するためのアイデアを形にする仕事なので、手を動かして取り組むことに長けている高専OB・OG社員は、即戦力として現場の第一線で活躍しています。高専卒・大卒は隔たりなく業務を行い、自身のスキルを磨きながらキャリアアップを実現していますよ。

就職活動の行動力で掴んだ、高専のものづくりを生かす道

―T.S.さんが、高専に進学したきっかけと、学んだことは何ですか?

顕微鏡をのぞき込む姿
▲T.S.さん(高専時代:物理実験の様子)

もともと工作が好きな子どもでした。「好きな教科は何ですか?」と聞かれたら「図工」と答えるような子どもで、そうした姿を見た父親が、「こんな学校があるよ」と教えてくれたのが高専でした。

「ものづくりができる」ことと「就職率が高い」ということに惹かれ、東京都立産業技術高等専門学校に進学。実は兄が先に同じ高専に通っていたので、そのこともきっかけでしたね。

高専生時代は、航空宇宙工学を専攻し、研究室では小型の手作り風洞の効率化を図り、流体シミュレーションを駆使して予測を立て、実際に組み立て効果検証を行っていました。

航空機の展示館に、飛行機や機材などが置いてある
▲都立産技高専の展示館にある航空機の、重心評価の実習風景

当時の研究が何か今に生きているかと言われると、あまりないのですが(笑)、高専では実習が多かったため、トライ&エラーを繰り返す高専でのものづくりは、試作のフェーズで手を動かす現在の業務に繋がっており、高専での取り組みが生きた部分かなと思います。

また学生時代は部活動やアルバイトなども経験し、早くから社会性を身につけられたというのも良かったと思います。

―就職活動の際、アイリスオーヤマに入社したいと思ったきっかけは?

アイリスオーヤマのビル外観
▲心斎橋ビル外観

就職活動時、実はすごく悩んでいました。すぐにでも世の中に出て働きたいという気持ちが強かったため、「何がやりたい」というのが明確でなく、ただ「ものづくりに関わる仕事がしたい」ということだけが分かっていたという状態でした。

そんな中、たまたまテレビでアイリスオーヤマについて取り上げられている番組を見て、おもしろい会社があるなと思ったのが、志望した最初のきっかけでした。「ユーザーインで考えるものづくり」などに、他社にはない魅力を感じましたね。

ただ志望したのは良いのですが、当時、都立産技高専にはアイリスオーヤマからの就職の推薦枠がありませんでした(笑) 高専の就職には、文系大学生のような「自由応募」での就職と、「学校推薦」での就職の2つがありますよね。

「学校推薦」では、企業から高専に何名欲しいという要望を出すものですが、私の就職活動時にはアイリスオーヤマからの推薦枠がなかったので、ダメもとで人事に電話して、「御社を受けたいんですが、求人を出してもらえませんか」と問い合わせたところ、推薦枠を出してくれました(笑)

こうした学生のやる気を拾ってくれる会社というところにも魅力を感じましたし、また私自身のその行動力も買ってくれたのではないかと思うと、うれしかったですね。

―社会人になってから思う、高専の魅力はどんなところにあると思いますか?

ひとつは、ものづくりのさまざまな体験ができることだと思います。例えば溶接や鋳造など、おそらくやったことある人は、世の中にそう多くはいないと思います。そういった普通の工業高校などではなかなかできないレベルのものづくり体験ができるのは、高専ならではの魅力だと思います。

また自由度が高い点も魅力ですかね。例えば私服で登校していいとか、地方の高専だと車で通学していいとか、学生にある程度任せている部分が多く、ただ、その分、責任もしっかり伴うということは、自己管理能力を育む上でとても良い環境だったと思います。

高専って高校と比べて、割と進級する基準が厳しいです。だからある程度自由が与えられている分、勉強に対しては結構厳しくなっているので、そういう自分をしっかりコントロールする力は、やっぱ高専生活で得られたものかなと思います。

―今後の目標について教えてください。

社内のロゴマークとともに
▲社内にて

会社としては、2022年にアイリスグループで売上1兆円を目指すという目標がありまして、そこは今のままいけば、達成できるんじゃないかなというところにあります。売り上げの7~8割が家電になっているので、家電を中心に商品のラインナップを増やしていくなど、ブランド力を上げていきたいと思っています。

また個人の目標としては、もちろん会社に貢献していくというのもあるのですが、開発者のひとりとしては、自分の考えたアイデアを具現化したヒット商品を生み出したいなと考えています。

現在私の担当している開発では、自身のアイデア100%のアイテムというのがまだなくて、マーケットからくる開発であるとか、品揃えの開発などがメインになっていますので、今後は堂々と「自分がこれを開発しました!」といえるようなヒット商品や、ユーザーイン目線でつくったアイテムを出していきます!

アイリスオーヤマ株式会社
https://www.irisohyama.co.jp/recruit/
03-5843-7708 人事部採用課大卒・高専採用チーム

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