全国の高専教員と企業の人事担当者で意見交換を行うイベント「高専教員×企業交流会」を、2024年3月26日(火)に東京交通会館で開催しました。今回で6回目の開催となり、教員60名、企業の人事担当者66名(38社)と、多くの方にご参加いただきました。本記事は、その当日の様子をレポートします。
第一部「基調講演」
昨年、一昨年同様、三部構成でプログラムが組まれ、第一部では、株式会社3D Printing Corporation(以下、3DPC)の最高科学責任者 古賀洋一郎氏による講演「3Dプリント技術を活用した伴走支援~研究開発・教育/スタートアップ支援・資金調達~」を行っていただきました。
3Dプリント技術を活かし、設計・開発から受託製造などのサービスを行っている同社。講演では、高専での3Dプリント技術の役割、そしてそこに3DPCがどう関わっていくことができるのかをお話いただきました。
高専でも導入が増えている3Dプリンターですが、そこでは主に「研究開発」と「教育」に活用できるとのこと。製造プロセスの研究や材料開発、アプリケーションの高速試作といった「研究開発」の役割を持っていることに加え、STEM教育(※)などの「教育」の側面も持っているとのことでした。
※科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の分野を統合的に学ぶ教育手法のこと
しかし実際には、費用面やオペレーター不足、安全管理をどうするかといった課題があるのも事実。こういった課題解決に、3DPCが関わっていけるとのことでした。
交流会には、さっそく同社の工場見学に行かれた教員の方もいらっしゃり、本交流会が企業と高専教員の架け橋となっているようで嬉しく感じました。
講演後、同社のジェレミー・ノップ副社長からは、「高専生は本当に素晴らしく、私は高専が大好きです。」とのメッセージもいただきました。
第二部「意見交換会」
第二部では、高専教員・企業担当者の混合テーブルで意見交換会を実施。「各高専の取り組みの紹介と企業への要望」「高専卒で活躍する人材とは?双方が高専生採用に期待すること」の2つのテーマを設け、各テーマ40分ずつで進行されました。
教員の方からは、授業での取り組み内容や学生の特徴といった各高専の紹介が行われた後、「TOEICはどのくらい重要視するのか」「就職するうえでどんな知識があれば良いのか」といった具体的な質問が企業担当者に向けられました。各社の担当者は、自社の採用基準に基づいて回答されていましたが、入社後の高専生の「伸びしろ」「真面目な姿勢」を評価する声があり、企業側の熱意を感じる一場面もありました。
一方で、企業担当者からは「地元志向が強い学生が多いのか、それとも県外に出ていく学生が多いのか」等の質問があり、対面の交流会だからこその一歩踏み込んだ意見が飛び交っていたことが印象的です。
どのテーブルも大いに盛り上がっており、会場にはさまざまな声が響き渡っていました。
第三部 「高専教員と企業の交流会」
続いて第三部は、高専ごとにテーブルを設け、企業担当者が自由に訪問する形式。1回の交流時間を5分程度とし、1対1でお話いただくことが目的です。
決まったテーマはないため、双方が聞きたいことを質問・ディスカッションする回となりました。自社商品を見せながら会社説明を行っている企業もあり、第二部よりも、より濃密な時間となった印象です。
本イベントにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。「月刊高専」をきっかけに、こうしてイベントに足を運んでくださり、運営スタッフ一同嬉しく感じております。
次回以降も、どうぞよろしくお願いいたします。
〇イベント情報
【高専教員×企業交流会】
日時:2024年3月26日(火)13:00~16:30
会場:東京交通会館12F/ダイヤモンドホール(東京都千代田区有楽町2-10-1)
参加者:全国の高等専門学校 教員、企業の人事担当者・経営者
主催:月刊高専(運営:メディア総研株式会社)
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