国立高専の令和5年度入学者選抜学力検査の本試験まで残り1カ月を切りました。高専を目指すみなさんは、入試勉強のラストスパートに突入していることと思います。
入試対策において「過去問」を解くことは必須です。そこで今回、月刊高専スタッフ2人が実際に過去問を解いてみました。本記事は実際に問題を解いてみた感想、対策方法などを月刊高専スタッフ独自の目線で、入試対策には少し遅いタイミングかもしれませんが、お送りするコラムとなります。
今回取り組んだ過去問は、直近にあたる令和4年度の学力検査の本試験。実は、この試験から「思考力・判断力・表現力」をより重視したものになっており、それらをより測れるよう工夫した問題が出るようになっています。
過去問を解いた月刊高専スタッフは、高専の文系学科を卒業して1年も経っていないライターK(国立大学文系3年生/女性)と、高校の理系出身で国立大学の文系学科を卒業した大卒8年目のライター兼編集担当O(メディア総研㈱勤務/男性)です。それでは、英語の問題について見ていきましょう。
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「自動詞と他動詞」「文型」——英語のルールを理解する重要性
O:高専によっては合格者平均点等を公開しているところがあるのですが、今回の英語は他科目に比べて点数が高かった印象です。高専生は英語が得意なのでしょうか。
K:私の実感だと逆です。長文読解が苦手な人や、文法の理解が曖昧な人が多いなと、高専に入学してから聞いた話では思いました。
O:そうなんですね。でも、高専生だけでなく、英語が苦手なのは日本の学生のほとんどに言えることだと思いますので、共通課題かもしれません。Kさんはどの問題が気になりましたか?
K:大問5の、カロリーの計算をしないといけない問題です。
O:計算そのものは数学や理科での計算に比べると容易ですが、英文の内容と表の内容を照らし合わせて読解する能力が必要なので、国語の大問2の問6と同じような雰囲気を感じます。
K:あとは、大問4の3の問題でしょうか。
O:大問4は並び替え問題でしたね。
K:3の問題では、「『returned』の後に『to』って続いた?」と、すごく迷いました。
O:その動詞がどういう意味だと自動詞で、どういう意味だと他動詞になるのかは、動詞を覚えるときに結構見過ごされるポイントですよね。でも、実はそこが1番重要だなと、大学受験のときに特に思いました。
K:あと、それと一緒に「基本5文型」をしっかり理解していると、文法問題だけでなく、読解力もかなり向上すると思います。この動詞の後には必ず名詞が来るといった「英語のルール」を把握しておくと良いのではないでしょうか。
O:「基本5文型」を意識しながら英文を読むと、かなり理解できますよね。慣れないうちは、S・V・O・Cが英文のどれに該当するのか、全部書いていたのを覚えています。例えば「SVOC」の型を取る主な動詞には何があるのかを分かっていれば、その動詞が英文に現れても戸惑わないのではないでしょうか。
K:文型って、英語の授業の中では異質に捉えられがちなトピックですけど、実は、今後のすべての英語で生きてくるものなので、早くから理解するようにしたほうが良いと思います。
「綺麗な英語」のススメ
O:Kさんは、英語の対策として何をしていましたか?
K:自分なりの単語帳をつくったりもしていましたが、基本的には長文を読んで勉強していました。英語を勉強する人に向けて、英語の小説をいくつも抜粋した本があったので、それを読んでいましたね。Oさんは大学入試に向けてだと、どうしていましたか?
O:自分もKさんと同じく長文を読んでいたと思います。音楽が好きなので普段から英語の音楽サイトを読んでいました。ですが、そういうサイトの英文は綺麗じゃないことが多かったので、あまりおススメできないです(笑) スラングもありますしね。
K:では、どういう英文が良いと思います?
O:海外の報道機関の英文は、報道機関なだけあって綺麗だと思います。難しい単語も中にはありますが、それを辞書で適宜調べるクセをつけると、英語の幅も広がりますよね。英語の入試問題で出されるテキストも綺麗な英語(文法的に正しい英語)なので、綺麗な英語を読んで慣れると良いのではないでしょうか。
K:Oさんのさっきの話と関連すると、今の自分は英語力を高めるために、海外の報道機関のラジオを聞いたりしていますね。アナウンサーの発音はきれいなので、「正しい英語」を学ぶためにはとても有意義だと思います。あと、中学生のときは、AET(assistant English teacher=英語指導助手)の先生に手紙を書いていました。
O:それはすごいですね! 周りでは見たことがありません。
K:手紙を添削してもらって、そこで単語や文法の使い方を勉強していたんです。
O:自分で必死になって書いた文章を添削してもらえるのですから、間違いなく英語の力が付きそうですね。めちゃくちゃ良いと思います!
最後の最後まであきらめてはいけない
O:ここまで5つの記事で「国・社・数・理・英」の全教科を振り返ってきました。では、ここで入試対策全般の話をしようと思うのですが、Kさんは積極的に先生に質問していたそうですね。
K:先生と仲が良かったタイプだったのかもしれません。でも、「分からないことを、分からないままにしたくない」と、中学1年生のときから気を付けていました。先生からしてみればめちゃくちゃしつこかったかもしれません(笑)
O:高校3年生という受験を控えた時期になってから、自分の周りでもそういう人が増えていきましたけど、中学1年生からそれを積極的にしていたのはすごいです。
K:放課後も先生に教えてもらったりしていました。家ではそこまで勉強していなかったですけど、学校で勉強をしっかり完結させようとしていたのだと思います。
O:ということは、「普段からしっかり勉強していた」ということですね。
K:実際、私が本当に根詰めて高専の受験勉強をしたのは、入試日まで1カ月を切ったころでした。
O:じゃあ、まさしくこの記事が公開されたタイミングですね。
K:だから、やりようによってはまだ間に合うと思います! まだまだできることはたくさんあります!
O:自分も大学入試を受ける際に「入試の前日や当日の朝に教科書を眺めているようではダメ」「これまでの記憶が混乱するから、直前に情報は詰め込まない方が良い」「今さら勉強しようとするのは、これまで勉強してこなかった何よりの証拠」みたいな言説があって、「最後の最後に粘ろうとしてはいけない」みたいな雰囲気が周りにあったんですよ。
K:その雰囲気、分かります。
O:ですけど、いざ入学したら、会場に向かう電車の中で読んだ教科書の内容が入試で出て、それでギリギリ合格点に届いた人がいたんですよね。
K:私もありました! 朝ごはん食べているときも移動中も教科書読んでいましたよ(笑)
O:だから、本当に最後の最後まで、試験が始まる1秒前まで対策できると思います。周りからどれだけ笑われても、受かってしまえばなんてことないのですので。
K:入試が始まるまでが入試対策期間、ですね。受験生のみなさんは、頑張ってください!
O:月刊高専スタッフ全員、応援しています!
※この内容は、あくまで月刊高専スタッフ2名独自の感想です。
<英語の得点>
K:89点/100点 O:100点/100点
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<お知らせ>
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