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高専で鍛えられた「伝える力」。モチベーションアップや自己成長につながるメンターの存在

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富山高専を卒業後、専攻科に進まれ、今は美容業界を手掛ける富山県のベンチャー企業「株式会社andUS(アンダス)」で働いていらっしゃる岩坂理沙さん。今の深い思考力は宮重先生のゼミで培われたそうです。高専時代の経験が、今のお仕事に直結しているという岩坂さんに、高専時代の思い出や、現在のお仕事について伺いました。

富山高専で感じた英語の力

―富山高専に進学されたきっかけを教えてください。

5つ上の知り合いが富山高専の国際ビジネス学科に通っていったこともあり、前から高専のことは知っていました。ホームステイの話などを聞いていたので、「留学ができる学校なんだ」と興味を持ちましたね。

中学生時代、陸上競技大会での岩坂さん
▲中学生の頃の岩坂さん。陸上競技の大会にて

また、「大学受験のために3年間勉強するのが嫌だ」という思いがあったんです。高専で社会に役立ちそうなスキルを学べることを知り、そこから第一志望になりました。

―富山高専に進学されてみて、いかがでしたか。

やっぱり宮重教官の経営学の授業を受けたときは衝撃的でしたね。「そうやって世の中を見るんだ」という気付きや、「今見えている物事は一部分で、その背景にはこういう出来事が隠されていたんだ」と知ることができました。モチベーションや動機付けを分析してくださる先生に私は初めて出会ったと思います。

これは苦い思い出なのですが、高専に入って英語が嫌いになってしまって(笑) 入学前は、アメリカに住んでいる大伯母の影響もあり、「将来的には英語を生かして働きたい」という思いもあったのですが、入学したら周りのレベルの高さに挫折感を覚えてしまって。海外経験のある友達や、英語ネイティブレベルの友達がたくさんいて、高専3年生までは英語が嫌いでした。結局英語圏への留学は行かなかったです。

高専生の頃の岩坂さん
▲高専生の頃の岩坂さん(最後列右)。2列目左から1人目は、以前月刊高専で取材しました青山さんです

ただ、4年生以降にビジネス英語を学ぶようになってからは、自分なりに「分かるようになってきた」という実感はありました。「すごく面白い」というところまでは至らなかったのですが、英語に対する認識は少し良くなりましたね。

「自分の人生だから、自分で舵を握っていいんだよ」

-高専時代はいろいろと思い出があるそうですね。

韓国の延世大学に1か月間、異文化交流に行きました。観光地に行ったりもして、とても楽しかったですね。韓国人の学生は日本語を勉強していたので、互いに言語を教え合ったことが思い出に残っています。

韓国に留学中の岩坂さん
▲韓国に留学中の岩坂さん

また、文化祭ではお化け屋敷をしたり、有志の女子メンバーでダンスを踊ったりしました。TWICEの「TT」を踊ったのが印象に残っています!

-卒業研究はどのようなことをされたのですか。

宮重ゼミに入ったものの、研究が順調に進んだわけではなくて、仮説も思い浮かばないし、どうやってテーマを決めたらいいのかも分からなくて、かなりの挫折がありました(笑) 宮重教官によく、「うまく調理してください」や、「今ある材料で美味しい料理(論文)をつくってください」と言われましたね。

その言葉の意味があまり理解できていなかった時に、卒業生の方から「自分の人生だから、自分で舵を握っていいんだよ」「やりたいことに専念していいんだよ」というアドバイスをいただいたんです。

また、宮重教官がメンターだったのですが、私はメンターの言葉で行動変容が起こったという実体験がありました。そこから「メンタリング行動の機能が部下に与える影響」というテーマで研究を行うことにしたんです。

テーマが決まってからは計画性をもって進めることが出来て、企業インタビューもさせていただきました。専攻科に進んでからは、モチベーションが上がるとなぜ自己成長につながるかまで研究が深められたので良かったです。

卒業研究に取り組んでいる頃の岩坂さん(中央)。右から1人目と2人目は、以前月刊高専で取材しました藤野さんと青山さんです。
▲卒業研究に取り組んでいる頃の岩坂さん(中央)。右から1人目と2人目は、以前月刊高専で取材しました藤野さんと青山さんです。

人には「モチベーションの3要素」として「公平感・達成感・連帯感」があるのですが、メンタリング行動を受けることによってモチベーションが上がり、その結果成長につながるという結論が出ました。それを実体験として感じることもできましたね。

また、企業インタビューでは、同じメンタリング行動でも、業種業界によって受け取り方や感じ方が違うという結果が出ました。また、メンターのご年齢が違ったら、同じ内容でも伝え方や考え方が違うことが面白かったです。

-専攻科ではどのような力が伸びましたか。

やはり「伝える力」はこの2年間ですごく伸びたと実感しています。根拠に基づいて伝えることや、論文に記すというところはかなりトレーニングできました。実際のインタビュー内容を仮説に擦り合わせて書く作業もあるので、「伝える力」はかなり鍛えられましたね。

専攻科生の頃の岩坂さん
▲専攻科生の頃の岩坂さん

宮重教官の「うまく調理してください」とは、「パズルのピースを上手く並び変える作業」だと思っていて、ゴールに向けて逆算してパズルを並び替えて、綺麗に分かりやすく相手に伝えることだと思っています。

自分で論文を読み返しても分かりやすいと感じたり、相手にちゃんと伝わっているなという実感が持てたのは、専攻科で研究を続けて良かった部分です。

専攻科修了式での岩坂さん
▲専攻科修了式での岩坂さん

今度は誰かのメンターとして恩返ししていきたい

―現在はどのようなお仕事をされているのですか。

今は株式会社andUSで、全国の美容サロン様に自社製品や学習サービス、会計支援サービスを販売しています。また、製品を売るだけではなく、サロン様の経営までもトータルサポートする役割を担っています。

もともとは東京で働こうと思っていたのですが、一緒にゼミに入っていた友達の影響もあり、「富山にも面白い企業はあるよね」と思い直しました。andUSは富山でも都会でのキャリアを築けるような働き方をしている会社で、働くメンバーがいきいきしていたことが決め手でした。また、自分たちで会社をつくりあげていくという姿勢にも共感しました。

クライアントによって抱えている問題が違う中、それをどうくみ取って解決できるかを考えたり、自社のコスメを通じてサポートできるかを伝えるところが難しい部分でもあり、面白い部分でもあります。自分が関わったクライアントから、「岩坂さんと出会えてよかったです」とお言葉をいただいたときは、やりがいにつながります。

現在の岩坂さん
▲現在の岩坂さん

社会人になって、海外の文献を読んだりする機会も増えたので、「高専時代に英語を頑張っていて良かった」と思いますし、高専では体系的にビジネスのことを学んでいくので、深い専門性はなくても、「なんとなく分かる」ということが多いので、業務に結び付いています。

今後は、私が関わらせていただいたことで、プラスの行動変容が起こせるような人になりたいと思っています。今まではメンタリングを受ける側でしたが、今度は誰かのメンターとして恩返ししていきたいです。

―現役の高専生にメッセージをお願いします。

高専は長ければ7年間通う場所なので、誰しも「この選択肢って合っていたのかな」とか「今やっている勉強って、社会に役立つのかな」と思う瞬間はあると思います。でも、今だからこそ言えることは、どんなに嫌だと思っても、役立つ知識や自分の武器になるということです。

もし、諦めそうになった時は初心に戻って、高専に入ろうと思ったきっかけや、自分のなりたい姿を振り返る機会をつくるといいかもしれません。私自身、目標がなくなって辛い時期には、積極的に人と関わることにしました。高専にはいろいろな価値観を持った素晴らしい先生や先輩、友達がいます。自分にない価値観や武器を持っている人と、いかに仲良くなって、幅を広げることができるかということも、高専だからできることだと思います。

私は高専で、「自分の人生の価値は、自分で決められる」ことを、ゼミの卒業生や宮重教官から教えてもらいました。高専で「自分らしさ」を見つけて、邁進していってください!

岩坂 理沙
Risa Iwasaka

  • 株式会社andUS セールスコスメ事業部

岩坂 理沙氏の写真

2021年3月 富山高等専門学校 国際ビジネス学科 卒業
2023年3月 富山高等専門学校 専攻科 国際ビジネス学専攻 修了
2023年4月より現職

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