インタビュー

高専卒の技術者が設計・開発を担う!セキュリティ業界のパイオニア的存在「キング通信工業株式会社」

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セキュリティ情報機器や通報システム、介護機器などを開発している「キング通信工業株式会社」。私たちの生活に必要不可欠な「安心」「安全」を提供するセキュリティ機器メーカーとして、社会貢献度の高い製品を世に送り出し、成長を続けています。高専卒の技術者として、開発の最前線で『モノづくり』に励む高専OBの3名にインタビューしました。

社会の「安心」「安全」を守る、セキュリティ機器の開発

キング通信工業株式会社は、社会の「安心」「安全」を守る防犯機器やシステムを開発しているメーカー。お客様は全国の警備会社、介護施設や社会福祉法人、 商店会や官公庁と多岐にわたり、日々の生活にも欠かせない身近な存在として、社会の様々なシーンで活躍しています。

開発部署はハード設計(筐体・機構・回路)、ソフト設計(警備監視システムのソフトウェア・スマートフォン用アプリケーション)、ファーム設計(警備用端末装置の組込みソフトウェア)、生産管理、情報管理(社内システム管理)、品質保証の他、最新技術の調査研究を担うテクニカルリサーチ部門など、実に多くの技術セクションがそれぞれ約15名前後で構成されています。

高専卒の社員も大学卒や院卒と同じ開発業務を任され、製品やシステム開発における中心的な役割を担っています。

技術職・営業職・事務職全ての女性社員に共通しているのが「産休・育休後の職場復帰率100%」。育休後の復帰タイミングや、時短勤務の時間帯も複数から選択可能など、各社員の事情に応じた柔軟な体制を整えているほか、男性社員も育児休暇を積極的に取得しており、働きやすい環境作りにも力を入れています。

建物の外観
横浜テクノセンターは社会の「安心」「安全」に貢献する製品をゼロから作り出す開発拠点。技術者それぞれが学んできた分野を活かす開発業務を担当し、総力を結集して「モノづくり」に邁進しています。

高専OB社員インタビュー

-キング通信工業に入社したきっかけを教えて下さい。

設備に向かう上田さん
上田 恵輔さん(品質保証部 品質保証GP 入社1年目 茨城高専 機械システム工学科出身)

上田さん:企業選びの軸として、社会貢献度の高い製品やシステム、また自社製品の活躍するシーンを多く目にすることが出来るメーカーに就職したいと決めていました。教授からの紹介で当社を知り連絡をしてみたところ、人事担当者が私の地元まで来られて、直接説明を聞くことができました。

就職活動を始めたばかりでとても緊張していたのですが、事業内容や各部署の紹介、当社製品の活躍シーン、入社後の流れ、仲間として求めるもの、お休みに関することなど、細部にわたる説明により社会人になる前の不安が取り除かれ、当社への入社意欲が高まりました。採用の過程において人事担当者に本当に丁寧に対応してもらったのが強く印象に残っていますね。

機器を操作する葛野さん
葛野 拓也さん(開発技術部 ハード設計GP 入社3年目 都立産技高専 専攻科 電気電子工学専攻出身)

葛野さん:学校に来ていた求人票がきっかけです。ホームページに掲載されている機器やシステム、また活躍している先輩社員を見ていくうちにとても興味を惹かれました。また当社は開発だけでなく、企画から設計開発、品質保証、販売した後の技術サービスまで行っている一貫した事業に魅力を感じ、お客様の声を反映した製品やシステム作りが出来ると確信しました。

顕微鏡をのぞく石黒さん
石黒 友博さん(開発技術部 ハード設計GP 入社7年目 サレジオ高専 機械電子工学科出身)

石黒さん:高専ロボコンの経験から、製品開発において回路設計が担えるメーカーに就職したいという思いが強くありました。高専卒の場合、整備やメンテナンス業務が主となる企業が多く、そちらを就職先に決める友人も多かったのですが、私の中で「設計・開発職」が譲れない部分でした。

研究室の教授から当社を紹介され説明会に参加したところ、高専卒社員も院卒や大卒と同じ開発業務を任され、製品やシステム開発の中心的な役割を担っていることを知りました。面接時にも配属について改めて確認したところ「高専生が強みとしている実践的なモノづくりの経験を当社の製品開発に活かしてもらうことに、大いに期待しています。」と言ってもらえた際は、とても嬉しかった記憶があります。

-今の仕事内容について教えてください。

上田さん:ハードウェアの信頼性試験を担当しております。お客様である警備会社やその先のエンドユーザーがどのように使用されるかを想定し、温度の変化や電気的なノイズが原因で誤動作しないかなど、当社製品が設置される様々な環境を想定した「信頼性試験室」で市場に出る前の最終確認を担っています。メーカーとして「高品質」な製品を世に送り出す前の重要な役割を担うため、良い緊張感を持って充実した毎日を送っています。

葛野さん:開発中の製品やお客様の要望により仕様が追加された製品、また搭載部品が変更になった際に代替品においても運用に影響を及ぼさないかなど、高品質を保つための試験を実施し不具合や異常を発見するのが主な仕事です。

入社後はまもなくフィールドエンジニア(お客様への技術支援業務)に配属となり、エンドユーザーに設置される『警備用端末装置』や 管制センターに設置される 『集中監視用サーバーシステム』 の保守業務、警備の付加価値を高める『クラウドシステム』の環境構築、また高齢者施設での 『見守りシステム』 の設置サポートなどを担当し、当社の製品やシステムの基礎知識を一から学びました。

様々な機器やシステムが使用されている実際の現場を数多く経験したことで、「お客様目線」を意識した現在の開発業務に活かされていると感じますね。

PCに真剣な面持ちで向かう葛野さん
制御盤を操作する葛野さん
警備会社(管制センター)の集中監視システムや、エンドユーザー(金融機関)でATM制御装置のメンテナンス業務を行うフィールドエンジニア(お客様への技術支援業務)時代の葛野さん。

石黒さん:警備システムにおいて、侵入者を検知する人感センサなどの電子回路設計を担当しています。センサのハード面だけでなくソフト面も含めた総合的な仕様やハード/ソフト双方のコンビネーション、性能だけでなく開発に伴う生産コストを考慮し搭載部品についても細部まで気を配るなど、基本設計時において常に幅広い視点で捉える必要があるため、それらをバランス良く遂行していくことに大きな充実感がありますね。

キング通信工業の商品の一部
クラウド、モバイル、Wi-Fi、Bluetooth、ICカード、スマホアプリ、3D赤外線測距センサなど、様々な技術要素が組み込まれている製品のほか、新たにAI(人工知能)を取入れたシステム開発も実施しているキング通信工業。今後も「安心」「安全」の目線で新たな技術を追求しつつ、常にワクワクするような「モノづくり」に励みます。

-働いてみて感じた、高専出身で良かったことはなんですか。

上田さん:当社は、自社開発のため製品個々の仕様決めに基づき、そのために必要な搭載部品についても細部まで気に掛ける必要があります。高専での実践的な学習により、制作工程において多角的な視点や考え方を養った経験は、今後担う開発業務において活かすことが出来ると感じております。

葛野さん:私の卒業研究テーマは「生体電気インピーダンス」という内容だったのですが、その一環で経験した電子回路の設計製作は、当社の開発業務においても活かされると感じます。またその他の実験実習で使用していた測定機器と同じものを業務で使用することもあり、その際は迷うことなく操作することができました。高専で経験した様々なことの中にも、当社の開発業務に通ずる部分があることを実感しますね。

石黒さん:高専は実践的な「モノづくり」の経験が多く豊富なため、当社の開発セクションにおいて、即戦力と捉えられております。希望していた開発部門に配属となった早い段階から、高専時代の様々な経験を設計業務に直接活かせていることに、大きな充実感を得ています。現在私が設計開発を担当している防犯用センサのように、当社は特に社会貢献度の高い製品やシステム作りを主事業としているため、活躍するシーンを想像すると誇りを感じますね。

石黒さんがてづくりした品々
葛野さんは高専時代、研究室の工作機械を用いて「ペンプロッタ」や「ニキシー管時計」などの電子工作を多く製作しました。また石黒さんはロボコンチームで回路設計を担当し大会での好成績が一番の思い出です。高専時代に熱中した「モノづくり」の実践経験を、現在はお客様目線を意識した製品づくりに活かし、開発の最前線で活躍しています。

-今後の目標を教えて下さい。

上田さん:まだ入社してからの日が浅いですが、将来担う設計開発のための知識を着実に蓄えたいのと、メーカーとして何よりも大切な高品質の維持管理を担う「品質保証」の役割をしっかりと学びたいです。

当社には各設計を担うセクション(ハード・ソフト・ファーム)や最新技術の調査研究、生産技術や調達、情報管理など多くの技術セクションが存在しますが、その中でも「モノづくり」の中枢を担う設計開発部門のメンバーに加わり、高専で培った様々な経験や知識を製品開発に活かしたいですね。

葛野さん:現在は製品の試験業務が主な仕事ですが、今後は開発業務にも携わっていきたいです。最終製品メーカーの醍醐味として、自社で使用用途や機能を企画し開発するやりがいはとても大きいと感じられますね。現在所属しているハード設計グループの中で、私は年齢的に一番若いため、これから後輩が入ってきた際は何でも遠慮せずに聞きやすく、頼られる先輩でありたいと思います。

石黒さん:自分自身で設計した製品に対して、お客様から高評価を頂いたり、実際に街中の多くの施設で見かけ、セキュリティ機器としての社会貢献を実感出来ることが、本当に嬉しいです。今後は虚を衝いた画期的な製品や機能を生み出し、何よりもワクワクするような「モノづくり」を通じて世の中のニーズや社会の困り事の解決に寄与する、そんな開発者に早くなりたいと強く思いますね。

スマホ向けアプリの紹介
セキュリティに関する警備用の通報装置や監視システムのほか、スマートフォン用の様々なアプリケーションなど、 お客様に喜ばれる製品を世に送り出し成長を続けるキング通信工業。

-高専生にメッセージをお願いします。

エントランスにて、作業着を着て写る3名
集合写真(横浜テクノセンター 正面玄関)

上田さん:普段から心掛けることとして、どんな些細なことにも興味を持ち、気になったことはすぐに調べることをお奨めします。自分の中に知識の引出しが増えて、思いがけないところで役に立った経験をすると、知らない事柄に触れた際に興味を持った自分自身を誇らしく感じます。その “ 何でも吸収しようとする姿勢 ” が、きっと将来担う仕事の中でも知識として役立つことに繋がり、確固たる自信が形成されていくと思いますよ。

葛野さん:私は電子工作等のモノづくりが趣味なのですが、社会人になるとその時間を確保するのが難しくなってしまいます。高専は工作機械なども自由に使えますし、悩んだり思い詰まった時に相談できる先生方もいらっしゃるので、「これがしたい、作りたい!」というものがあれば在学中にチャレンジするべきです。それがきっかけで自身の方向性や進路が決まる際の指針になったり、将来就く仕事に役立ってくると思いますね。

石黒さん:初めての就職活動で不安なことも多く、自分にはどういう企業や仕事が合っているか分からなくなる時もあるかと思いますが、周囲に惑わされず色々な会社を見て話を聞くことが大事だと思います。自分の価値を確かめる良い機会になるので、企業に対し積極的な姿勢になる事をお奨めします。

―みなさん、貴重なお話をありがとうございました!今後も、これから必要とされ続けるセキュリティ機器やシステムを世に送り出し、社会の「安心」「安全」に貢献し続けていってくださいね!

キング通信工業株式会社
〒158-0092 東京都世田谷区野毛2丁目6番6号
TEL:03-3705-8111
https://www.king-tsushin.co.jp/

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