COVID-19が世界的に流行し、さまざまなイベントや集まりが中止を余儀なくされた2020年。全国の高専でも授業や学外活動がオンライン化する動きが続いています。
そのようななか、函館高専は「オンラインインターンシップ」を開催しました。「企業研究」の一環として、従来の就業体験同様に授業として取り入れ「オンライン形式」でも単位を取得できる仕組みです。
海洋土木や港湾施設の建設を得意とするあおみ建設のインターンでは7月27日から5日間、計5名の函館高専生が参加しました。web会議ツールを使い、あおみ建設本社と現場、学生の自宅をつなぎます。

本インターンシップでは、実際に進行している北海道某所の岸壁工事について本社、管理職、技術職がそれぞれどう関わっているかを学びました。
まず、事前に学生へ郵送されていた資料を見ながら概要について所長から説明。その後、北海道の現場と中継を繋ぎ、実際の風景と照らし合わせます。
今回の現場はすでに設置されていた古い防波堤を改良する工事で、はつり解体や鉄筋とコンクリートを分ける作業、岸壁を守る鉄筋コンクリートでつくった箱「ケーソン」などをカメラ越しに観察しました。

工事を始める前に作成する施工計画書、現場の施工体制図や工程管理表などを見ながら施工管理業務について説明を受けました。一見大雑把に見える土木工事の作業ですが、数センチでもズレないよう、正確に測量して図面と比較する、誰が見ても理解できるよう細かく数値を記載するなど、とても丁寧な作業が必要であると学びました。
あおみ建設のあたたかい雰囲気を見て緊張が解けた学生たち。20代の若い社員に「一番大変だった仕事は何ですか?」「ミスはどうやって改善していますか?」「現場に怖い人はいますか?」など、素朴な質問を投げかけました。

インターンシップ実施後、学生からは「企業の方々の貴重な話を聞くことができ、今後の勉強に対するモチベーションを得ることができた」「現場でも講義でもやさしく説明していただいてうれしい。また就職においてどんなスキルが必要なのか理解を深めることができた」との声が。今後の学習や進路選択のカギになったようです。
あおみ建設の担当者に感想を伺ったところ「初めての試みで、オンライン現場見学が上手くいくのか不安ではあった。悪天候により作業が中止した場合は動画で紹介できるように事前に録画もしていた」「通信環境が悪かったり、パソコンにカメラがついていなかったり、Web環境は一律ではないので難しい点はあったかと思うが、多少は『現場』を実感していただくことはできたのではないか。現場に繋いだ時が一番、質問も多く、興味を持っていただけたのかなと感じる」とのことでした。
函館工業高等専門学校
〒042-8501 北海道函館市戸倉町14-1
TEL:0138-59-631
https://www.hakodate-ct.ac.jp/
あおみ建設株式会社
〒108-8430 東京都港区海岸三丁目18番21号 ブライトイースト芝浦
TEL:03-5439-1001(代表)
https://www.aomi.co.jp/
函館工業高等専門学校の記事
アクセス数ランキング


- 現場の知識を学生に還元。「No Challenge, No Life」を貫く、エンジニア兼講師からのメッセージ
- 弓削商船高等専門学校 情報工学科 非常勤講師
株式会社MIXI
瀬尾 敦生 氏


- 道はひとつじゃない。悩みながら学んだ土木技術を生かして、港湾構造物の設計者に
- 合同会社コトカデザイン・小田構造設計 代表
小田 隼也 氏


- 技術職員から教員へ——“裏方”から“触媒”への歩みで見つけた、高専教育のかたち
- 釧路工業高等専門学校 創造工学科 一般教育部門 准教授
佐藤 潤 氏


- 教える先生で学生の成績はかなり変わる!学生のやる気に「火が付いた」瞬間とは。
- 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 博士後期課程
山根 達郎 氏
-300x300.jpg)
- 高専OG初の校長! 15年掛かって戻ることができた、第一線の道でやり遂げたいこと
- 鹿児島工業高等専門学校 校長
上田 悦子 氏

- 高専での経験がやがて起業につながった。ノンアルコールビールでめざす「適正飲酒」の未来
- Beverich株式会社 代表取締役
木下 慶 氏







