![初の試み! 「モンゴル高専生のための企業研究セミナー」についてレポートのサムネイル画像](https://gekkan-kosen.com/wp-content/uploads/2023/07/thumb_mongolia-800x640-1.png)
モンゴルの3高専の学生約180名を対象として、日本企業の研究セミナーがオンラインで開催されました。今回は、セミナー参加企業の中から3社取り上げ、セミナーの様子についてレポートします。
他の企業研究セミナーとの違いは? モンゴル高専ってそもそも?
これまで、メディア総研では高専生や理工系大学生を対象とした企業研究セミナーを開催し、企業と学生の交流を図ってきました。しかし、今回開催した企業研究セミナーは、モンゴルにある3つの高専に在籍する学生を対象としています。
モンゴル高専についてよく分からないという方に向けて、モンゴル高専を説明している記事があります。ぜひ先にこちらの記事を読んでみてください!
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モンゴル高専生は、どのようなキャリアを歩むのか? 『技術者』を通した日本とのつながり
―企業研究セミナーの詳細について
参加した学生は、新モンゴル高専、モンゴル科学技術大学附属高専、モンゴル工業技術大学附属高専の3年生および4年生、総勢で約180名。一方、参加企業は東陽建設工機株式会社、株式会社ディスコ、株式会社東研サーモテック、株式会社ラックの4社で、主に製造業やIT業界で活躍する会社でした。
説明会では、各社それぞれの事業紹介や採用の流れについて説明。また、質疑応答の時間も設け、高専生が不明な点はリエゾンオフィスの方を通して通訳してもらうことで、相互にコミュニケーションをとりながら進められました。
説明会の様子と学生たちの反応
説明会では、各企業担当の方が会社概要や福利厚生、キャリア形成についての会社の方針など資料を用いて説明しました。また、外国からの採用例や高専出身で現在働いているという先輩のコメントなども含まれており、身近な人の話を聞くことでより具体的に想像できたのではないでしょうか。
言葉の壁については、通訳の方が参加しているので、企業担当の方は日本語で説明を行いました。事業内容などの説明をする際の専門用語など、うまく通訳するのが難しい場面が若干あったものの、セミナーは滞りなく進行。最後の企業の株式会社ラックの説明が終わると、高専機構の担当の方から質問が。
高専機構:セキュリティなどの専門知識があるが日本語があまり話せない学生と、専門知識はないが日本語が堪能な学生なら、どちらの方が採用チャンスはありますか?
株式会社ラック:どちらというのは難しいですが、高専生として学んだ専門知識は必要です。また、弊社は日本国内の企業であり、お取引先が日本企業になるため、日本語のコミュニケーション能力も同様に必要です。
重要なのは、それぞれが自分の専門分野をしっかりと学び、その知識を業務に活かす努力ができること。そして何よりもITに対する探求心、もっと便利なものを作り出したいという思い、安全を守りたいという強い意志が大事な要素となります。多種多様な価値観を持つ人たちが集まることで、お互いにとって刺激のある環境が生まれます。これが、ラックが提供する働きがいのある環境の一つです。
![](https://gekkan-kosen.com/wp-content/uploads/2023/07/ラック_スクショ画像.png)
株式会社ラック:言語は使っていくうちに覚えていくことができると思いますので、ある程度のレベルでコミュニケーションが取れるのであれば、専門知識があるとより採用の可能性は高いですね。かといって、必ずしも専門知識がないとダメというわけではないです。実際、弊社にやってくる新卒生などのうち3割は文系学部や農学部など、事業内容とは異なる分野を専門とする学生です。
このように、多様な人材に目を向けて採用活動を行っている様子が伺えました。東研サーモテックも海外の方の採用に関して、2019年度の場合はマレーシアと韓国から4名を採用されたほか、海外工場から毎年研修生を受け入れ(求める言語レベルは日本語能力試験のN2程度)。モンゴルの高専生にとっても、入口を広く構えてくださる企業は大きな存在となるのでしょう。
また、東陽建設工機の田中康雄代表取締役社長から、海外の高専生採用に関して、コメントをいただきました。
―どのような方に入社してほしいと考えていますか?
向上心の強い人に来てほしいです。現状に満足することなく常に努力し、将来的に経営幹部を目指す意欲のある方を歓迎します。最近の日本人新入社員はどちらかというと安定志向の方が多いので、職場の活気を高めてほしいと考えています。
—外国人の方を受け入れるにあたって、意識していることは何ですか?
生まれ育った文化・習慣が違うので、尊重しなければならないことがあるのは当然ですが、それ以外のことではできるだけ日本人社員と同じ扱いを心がけています。早く日本の文化や習慣を理解してもらうことは、それだけ早く幹部への道が開けることにつながると考えているからです。
新しい風を取り入れる グローバルな人材登用のはじめ方
今回は、以前のモンゴル高専について紹介する記事から一転、モンゴル高専生を対象としたセミナーでの様子についてご紹介しました。
企業の多国籍化が進み、アジア進出をする日本企業も一層増えた時代ですが、日本国内の現場で技術者のグローバル採用を行なっている事例はまだまだ少ないように感じます。縁の下の力持ちとして、大手企業から地元の工場までを支えてきた高専出身者ですが、これからは国内に限らず、海外の高専生にも目を向けた人材登用を行うことも求められるのかもしれません。
このセミナーでは、企業について学生に知ってもらう機会となり、インターンシップなどに関心を持つこともできるようになるのではないでしょうか。段階を踏んだ就職活動、採用活動は情報の非対称性を防ぐことができるため、双方にとって良い結果をもたらすことができます。
今後も、このような機会を設けられるよう、企画の検討を行なっていくのではないでしょうか。月刊高専では、高専や企業の新しい取り組みについて紹介していきたいと思います。
◎イベント情報
【モンゴル高専生のための企業研究セミナー】
日程:2023年6月2日(金)
開催方法:オンライン
主催事務局:メディア総研株式会社
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