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国内外で注目される高専生!
とある高校生が世界で注目されているってニュースをたまに見るけど、高専生でもあるのかな?
あります! 論文や発表が評価されたり、すでに社会で活躍している高専生がいますよ。
ここでは、どんな高専生が注目されているのかご紹介します!
高専生のうちに学術雑誌・学会などで評価!
高専生はまだ学生ではありますが、その優秀さゆえに、研究によって世界的に評価される学生がいます。
例えば、米子高専の専攻科を修了された八尾颯斗さん、本科5年生卒のアルターさんの研究成果が、Elsevier社の学術雑誌(Result in Chemistry,IF; 2.3, 2024年)に論文として掲載されました。国際的な学術雑誌に論文が掲載されることは非常に難しく、受理されたことはとてもすごいことです。
論文は米子高専に在籍されていた際の研究内容についてであり、ガン細胞への薬剤失活(※1)を抑えるため、DDS(※2)と光線力学療法を組み合わせるものでした。
※1:薬剤に含まれる化学物質の活性が失われ、本来期待されている反応を起こさなくなること。
※2:ドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System)の略。薬を体内の特定の部位に送り届ける技術の総称のこと。
また、2023年9月にドイツのベルリンで開催された国際会議(第14回欧州化学工学会議、第7回欧州応用バイオテクノロジー会議 合同大会)にて、小山高専の専攻科1年生(当時)がPoster Award “Biotechnology and Life Science”を受賞しました。この賞は、同学会で世界各国の研究者・大学院生が発表した約400件のポスター発表の内、わずか3件のみ選ばれたものです。
内容としては「海藻由来の可食性ポリマーであるアルギン酸を基材として、結核治療薬であるリファンピシンを固定化させたナノ粒子の調製に成功した」というもの。このナノ粒子は、pH応答性のドラッグデリバリー担体(薬を運ぶ物質)として応用が期待できるそうです。
高専生以外の研究者もいる中で評価されるのはすごいことだね!
本当だね! 高専で専門的な勉強や研究を深くできるからこそ、こういうことに繋がるんだ。
すでに社会で評価されている高専生も!
そのほか、国際会議ではないですが、すでに社会で評価されている学生ももちろんいます。
例えば、東京高専の学生によって開発された自動点字翻訳システム「:::doc (てんどっく)」は大きな注目を浴びています。これは墨字(普通に書かれた文字や印刷された文字)を点字に、点字を墨字に全自動で翻訳するサービスで、視覚障害者、および視覚障害者にサービスを提供したい教育現場や行政、企業をターゲットとしています。
このサービスのきっかけは、2019年のプロコンでした。プロコンについては「プロコンってなに?」で説明していますが、課題部門で最優秀賞を獲得した「:::doc−自動点字相互翻訳システム−」は「:::doc」の前身となっています。
その後も改良を繰り返し、2020年に開催された「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト」(参照「DCONってなに?」)では企業評価額が5億円相当とされ、最優秀賞を受賞。2021年春には、プロコンゼミ点字研究会の2人がさらなる飛躍を求め、高専ベンチャー「TAKAO AI株式会社」を設立しました。
2021年10月には「:::doc」試用サイトをリリース。1億円の出資も受け、「:::doc」は様々なメディアで取り上げられました。そして、いくつかの視覚障害者施設で実際に使用されているのです。
このように、高専のテーマである「社会実装」を学生の段階で取り組む人たちがいます。社会のために自身の研究を生かすことができるのが、高専という場所なのです。
高専生で社長になるなんてすごいなあ。1億円ってすごいお金だね!
それだけ期待されているからこそ出資されるんだよ! 高専生のうちでもいろいろな研究ができるから、ぜひ高専に入学してチャレンジしてみてほしいです!