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DCONってなに?
最近よくAIの話を聞くことがあるよ!
私もある! 高専でもAIに関する取り組みとかあるのかな?
高専ではAIに使われている技術を使ったコンテストが開催されているんだ。そのコンテストについてご紹介するね!
ディープラーニングを使った製品・サービス開発
DCON(正式名称:全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト)とは、高専生が持つ「モノづくりの技術」と、「ディープラーニング」を活用した作品を制作し、その作品によって生み出される「事業性」を企業評価額(企業の価値)で競うコンテストです。
ディープラーニングはAIをつくるために必要な機械学習の一種(発展系)で、深層学習とも呼ばれます。人間の脳の神経回路をモデルとした「ニューラルネットワーク」を用いることによって、これまでの機械学習ではできなかったレベルの画像識別など、複雑な判断や細かな処理ができるようになりました。
近年大きな話題となっている生成AI「ChatGPT」もディープラーニングによって生まれています。これからの社会の発展を考えるにあたって、AI、そしてディープラーニングは切っても切り離せないのです。
そのようなディープラーニングと、高専生が持つモノづくりの技術が組み合わさった製品・サービスを生み出すことで、産業に大きなインパクトを与えることができると考え、DCONは2019年に始まりました。過去の入賞チームから実際に起業した事例も出てきています。
ディープラーニングは、AIで今1番注目されている技術なんだね!
AIの分野は目まぐるしく発展するから、言葉の定義なども書籍やWEBサイトによって違うことがあります。気になった方はぜひ自分でもいろいろ調べてみてください!
審査基準はどうなっているの?
DCONは一次審査→二次審査→本選の順で、半年以上かけて実施。一次審査はエントリーシートに基づく書類審査、二次審査は書類審査後に2回の面談審査があり、本選では技術審査とプレゼンテーション審査が行われます。本選で最優秀賞や優秀賞に選ばれた場合には起業資金が授与され、最優秀賞の場合、その資金は100万円です。
また、一次審査通過チームはプロトタイプ(試作品)をつくることになり、制作に必要な計算資源(※)やプラットフォーム、制作費などの補助を受けることができます。二次審査通過チームは、最終審査に向けての準備を事業経験が豊富なメンター(上場企業経営者をはじめとする助言者)と行うなど、サポートも充実しています。
※コンピュータなどの計算機が最大どれだけ計算できるか(計算量)を示したもの。プロセッサ時間やメモリ使用量などで決まる。
審査のポイントとなるのは「作品コンセプト」「ものづくり・ハードウエア」「ディープラーニングの活用」「課題解決」の4つです。ディープラーニングを用いつつ、しっかりとしたものづくりやハードウエアにソフトウエアを落とし込んだ製品・サービスであること。また、それによって、社会や企業にどのような効果をもたらし、社会課題をどのように解決できるかが重要となります。
2024年5月10日(金)、11日(土)に開催されたDCON2024の本選で最優秀賞に輝いたチーム「Technology 七福神」(東京都立産業技術高等専門学校 品川キャンパス)は、「Fraud Shield AI」という作品で出場しました。ちなみに、「Technology 七福神」はメンバー7人が全員2年生(エントリー時)のチームです。
「Fraud Shield AI」は電話詐欺を防ぐことが目的のプロダクトで、電話の音声をリアルタイムで検知し、詐欺の可能性の推移をランプやアラームなどで知らせることで、利用者に詐欺であることを注意喚起できるというもの。ディープラーニングによって電話のシナリオや頻出ワード、発話速度などから電話詐欺の可能性を判断しています。企業評価額は4億円で、最優秀賞のほか、3つの企業賞も受賞しました。
メンバー全員2年生なんて、すごいな~
今が中学3年生だったら、2年後には最優秀賞を取れるかもしれないね。いろいろ勉強しないといけないけど、将来すごく役立つだろうから頑張ってみるのもアリだと思うよ!