事後対策型防災杖「用心棒」の開発(和歌山高専)

ー解決したい地域の課題を教えてください。
和歌山県白浜町のような観光地の課題は「観光客が観光地の避難場所を知らない」という点と、「事前に観光客に避難場所を教える機会が少ない」という点だ。
観光客を対象としたアンケートによると、8割以上が観光地での避難場所の知識がないと回答していたり、白浜町でおこなわれたテレビの街頭インタビューでも避難場所を知らないという意見があげられたりしていた。避難場所を知らなく土地勘がない場所で災害が起きると冷静に判断して避難することが難しくなってしまう。
ーその課題を解決する、アイデアについて教えてください。
私の地域の課題を解決するアイデアは、災害時に観光客を避難場所へと導くことができる、事後対策型防災杖「用心棒」を各地の観光地に設置する事である。「用心棒」は杖の形を模したもので、実際に杖のように使うことができる。「用心棒」は「直感的に避難経路がわかるARナビ」で災害発生直後に避難場所まで素早く案内できる。
その他にも、「GPSストラップ」「ライト」「防災用品を入れるスペース」の計4つの防災機能を兼ね備えおり、観光地などの土地勘のない場所での避難をより安全に行うことができる。

ー現在の進捗状況について教えてください。
防災意識の有無や「用心棒」が必要とされているかどうかを把握するためのアンケート調査を行い、約121人からの回答を得た。結果の傾向を分析しながら改良点や新しい発展につなげる予定である。また、「用心棒」使用のイメージをより具体的に伝えるため、実際に収納、展示できるボックスの作製を行っている。
ー2026年1月24日(土)の最終審査会に向けて、今後の計画を教えてください。
メンターの方からのアドバイスをもとに、避難行動について見直し、ARナビをハザードマップと連動させたものに改良し、実証実験を行う。また、実際に白浜町に訪れ、「用心棒」ボックスの設置場所や避難経路を選定する予定である。現地での検証を通じて、「用心棒」がどのように社会で活用されるのか、その実装イメージをより具体的にしていきたい。