Civil Doctors NITFC(福島高専)

 

ー解決したい地域の課題を教えてください。

過去の災害の経験や教訓を風化させないことが課題です。そこで私たちは地区防災マップを作成し、危険箇所や実際の被害をまとめました。

しかし、一人ひとりの防災意識には差があり、作成した防災マップを「自分ごと」として利用できている人は限られているのが現状です。このままでは、マップが十分に活かされず、防災・減災意識の向上になりません。特に災害を経験したことのない子どもや若年層にとっては、防災情報が身近に感じられず、備えの意識が薄れがちであることも課題であると感じました。

ーその課題を解決する、アイデアについて教えてください。

私たちは、アドベントカレンダー形式の防災カレンダーを考えました。このカレンダーは、いわき市でこれまで発生した大規模災害の日に向けて、日々少しずつ防災に関する情報や体験を学べる形式のものです。特に災害を体験していない小学生を対象として、災害は具体的に備えるべきものとして認識してもらい、上記の課題を解決していきたいと思いました。

さらに、カレンダーを体験した人の家族や友人にも伝えていくことで、周囲での防災・減災の意識の共有も広がることが期待されると考えています。

ー現在の進捗状況について教えてください。

現在はカレンダーの具体的な制作を進めており、紙などの身近な材料で作れるよう工夫しています。

また、内容は1週間をカウントダウン形式で小学生でも理解しやすいものを模索中です。日々のイベントには、災害に関する体験談やクイズ、防災のヒントなどを盛り込み、学びと楽しさを両立させる方法を検討しています。これにより、学習効果を高めつつ、家庭や学童クラブで気軽に取り組めるように調整している段階です。

アドベントカレンダー制作の様子
▲アドベントカレンダー制作の様子

ー2026年1月24日(土)の最終審査会に向けて、今後の計画を教えてください。

今後は、完成したカレンダーを学童クラブなどで実際に使用し、子どもたちと一緒に作る体験型の実施も検討しています。また、使用後には意見を聞き、内容の改善や今後の普及方法に活かす予定です。簡単に取り組める構成にすることで、学童クラブだけでなく、保護者や地域の高齢者も参加可能とし、地域全体の防災意識向上を目指していきたいです。さらに、カレンダーを通じて災害への備えを日常の一部として、地域の防災力向上に貢献していきたいです。